brainjack’s diary

解剖学やリハビリなど身体について深く考える。

整形学的特殊テスト一覧

こんにちは、脳筋王です。

 

今回は、整形疾患の評価に必要な特殊テストについてまとめましたので、参考にしてください。今後また付け加えて増やしていきますので、コメント等でよろしくお願いします。

 

1、股関節検査一覧

 
ケンプテスト
検査法:座位または立位。腰椎を斜め後方に倒し、そのもま回旋する。左右行う。
理論的根拠:腰椎の局所痛は、椎間板の損傷を疑う。
  神経根性疼痛か放散痛は、椎間板ヘルニア
  屈曲側 → 椎間板外側部の損傷 伸展側 → 椎間板内側部の損傷

 
SLRテスト


検査法:仰臥位 膝関節伸展位で、股関節を疼痛が出現するまで屈曲
理論的根拠:腰部の局所痛は椎間板の損傷を疑う。
        臀部・大腿後側に放散痛 → 坐骨神経痛症状か椎間板ヘルニア
        膝後面に鈍痛 → 膝屈筋の伸張時痛

ラセーグテスト

 

検査法:仰臥位.。股関節屈曲、膝関節屈曲。疼痛出現位置まで伸展
理論的根拠:股関節と膝の両方屈曲時に疼痛がなく、
        膝のみ伸展時疼痛出現 → 陽性


ブラガードテスト

 

検査法:仰臥位.。SLRテストの肢位で疼痛。5°下制させ足関節を背屈
理論的根拠:足関節の背屈は、坐骨神経をけん引により、大腿後側や下腿に疼痛が出現

      した時、坐骨神経根性疼痛。筋の伸張時痛とは異なる疼痛。

マイナー徴候

 

検査法:座位から立ち上がり
理論的根拠:腰痛患者は、疼痛側を屈曲位の状態で、健側のみで立ち上がる。
        疼痛側を無意識に手で押さえる。動作時痛は、坐骨神経根性疼痛


ミリグラムテスト


検査法:仰臥位.。両足を揃えた状態で、踵を10cm位挙上を指示。
理論的根拠:正常であれば、30秒間以上腰痛を引き起こさずに持続可能。腰椎椎間板ヘルニアでは持続が困難。


 

仙腸関節(骨盤)

 

支持前屈テスト

検査法:立位。前屈し、再び立位に戻り、後方から患者の坐骨を腰で固定し、両手で腸

    骨を支えながら再度前屈(骨盤固定ベルトを用いてもよい)
理論的根拠:腰椎の障害はどちらも疼痛出現。骨盤を固定した場合、腰椎のみ疼痛
        (骨盤を固定した場合、仙腸関節の痛みが起こらない)


ナクラステスト

 

検査法:腹臥位。患者の下腿を把持し膝関節屈曲、踵を殿部に近づける。
理論的根拠:殿部痛は仙腸関節の障害。腰部痛は、椎間板の障害
      大腿部や膝の痛みは大腿四頭筋の筋緊張亢進により出現

イヨーマンテスト

 

検査法:腹臥位。膝関節を90°屈曲位で大腿を挙上させる。
理論的根拠:深部の仙腸関節痛は、前仙腸靭帯の捻挫・障害

 


ヒップテスト

 

検査法:腹臥位。膝関節90°屈曲位で内旋。
理論的根拠:股関節内旋により、局所の疼痛 → 陽性(股関節疼痛部位の異常) 


仙腸関節ストレッチテスト

 

検査法:仰臥位。検者は腕をクロスさせ、患者の腸骨を両手で押さえ、下外方へ押す。
理論的根拠:疼痛出現は、前仙腸靭帯の障害


骨盤不安定性テスト

 

検査法:側臥位。腸骨を下方に強く押し、仙腸関節を圧迫。両側に実施。
理論的根拠:疼痛出現 → 陽性

仙腸関節外転抵抗テスト

検査法:側臥位(横向き)。下側の膝関節屈曲位、上側の膝関節伸展位で挙上。検者は

    手で抵抗を加える。

理論的根拠:疼痛側の上側仙腸関節障害


ゲンスレンテスト


検査法:診察台から片側下肢下垂位仰臥位。健側の膝を抱え胸に近づける。
     もう一方の下肢を診察台の外に出し、大腿部伸展。
理論的根拠:局所に疼痛出現 → 陽性


 


アリステスト

 

検査法:仰臥位。両側膝関節屈曲位
理論的根拠:膝の高さに左右差 → 陽性
      疼痛側低く、大腿骨骨頭の後方変異を示唆。


オーベルテスト

 

検査法:側臥位。膝関節伸展位。片側下肢を外転位に保持し、持ち上げた下肢を離す。

    両側で実施。
理論的根拠:手を離すと徐々に落ちない、大腿筋膜張筋、腸脛靭帯の筋緊張亢進


トーマステスト

 

検査法:仰臥位。片方膝関節屈曲し、胸に近づける。
理論的根拠:膝をかかえたときに、もう一方の伸ばした側の膝関節屈曲すると股関節屈

      曲拘縮を疑う。


フェイバー・パトリックテスト

 

検査法:仰臥位。片側下肢を屈曲・外転・外旋位に自動運動で挙上。上前腸骨棘と膝を

    手で押さえて押す。両側で実施。
理論的根拠:股関節に疼痛、炎症などの異常を疑う。

 
トレンデレンブルグテスト

 

検査法:立位。後部から両母指で上後腸骨棘を支持、片側下肢挙上。
理論的根拠:正常は持ち上げた側の骨盤軽度の下制。反対側は軽度挙上。
        中殿筋の筋力低下があれば、反対側が下制。


アンビルテスト

 

検査法:仰臥位.。検者は、患者の足首を持ち、
           もう一方の手をこぶしにして踵(かかと)を叩く。
理論的根拠:股関節に痛みが生ずる場合、関節の異常、骨折を疑う。

 

膝関節


アプレー圧迫テスト


検査法:腹臥位。膝関節90°屈曲位、大腿遠位端に検者の膝をのせ固定。
     足部を両手で把持、膝へ圧迫。下腿内外旋を実施。
理論的根拠:膝関節部に疼痛 → 陽性
        内旋時は内側半月板、外旋時は外側半月板の損傷


アプレー牽引テスト

 

検査法:腹臥位。膝関節90°屈曲位、大腿遠位端に検者の膝をのせ固定。
     足部を両手で把持し垂直牽引。下腿の内外旋
理論的根拠:膝関節部に疼痛

      内旋時は外側側副靭帯、外旋時は内側側副靭帯の損傷


マックマレーテスト

 

検査法:仰臥位。膝関節屈曲位、徐々に伸展し、同時に下腿内外旋
理論的根拠:膝関節に疼痛

      内旋時は外側側副靭帯、外旋時は内側側副靭帯の損傷
      クリック音が出現する場合は、半月板断裂を疑う。

引き出しテスト

 

検査法:仰臥位。足底接地。膝関節90°屈曲位。検者は下肢を膝で固定し、膝関節を

    両手で把持し前方牽引と後方圧迫。
理論的根拠:前方牽引時疼痛出現 → 前十字靭帯の損傷、
      後方圧迫時に疼痛出現 → 後十字靭帯の損傷
       可動域拡大は断裂を疑う。

内転ストレステスト


検査法:仰臥位。下肢伸展位。膝関節を固定。一方の手で、外側から抵抗を加える。
理論的根拠:膝関節外側に疼痛 → 外側側副靭帯の損傷

外転ストレステスト

 

検査法:仰臥位。下肢伸展位。膝関節固定し、一方の手で、内側から抵抗を加える。
理論的根拠:膝関節内側に疼痛 → 内側側副靭帯の損傷

膝蓋骨圧迫テスト

 

検査法:仰臥位。下肢伸展位。膝蓋骨を上方から手で強く押さえ上下左右に動かす。
理論的根拠:膝関節に疼痛 → 膝蓋骨周囲の炎症


膝蓋骨跳動テスト

 

検査法:仰臥位。下肢伸展位。膝蓋骨の直上大腿部を包み込むよう押さえ、一方の手

    で、膝蓋骨の下方を上方に向かって動かす。
理論的根拠:関節内に浸出液がある場合、膝蓋骨の上方か膝蓋骨の後側に貯留、膝蓋骨

      が浮き上がった感覚が出現

足部

 

シモンズ テスト

検査法:腹臥位。膝関節90°屈曲、下腿後面を圧迫。
理論的根拠:足の底屈が出現しない → アキレス腱の断裂

足関節のチネル徴候

検査法:腹臥位。膝関節90°屈曲。後脛骨神経を打腱器で叩打。
理論的根拠:疼痛が足底まで放散する感覚出現 → 足根菅症候群

外側安定性テスト


検査法:仰臥位。足部内がえし。

理論的根拠:可動域増加 → 前距腓靭帯・踵腓靭帯の両方もしくは一方の断裂

 

内側安定性テスト

 

検査法:仰臥位.。足部外がえし。
理論的根拠:可動域増加 → 三角靭帯の断裂