徹底解剖!「腹横筋」
こんにちは、脳筋王です。
今日もまじめにリハビリに役立つ情報を書いていこうと思います。
一日1つ知ることで一週間に7個知る・・・。一か月で30個知る・・・。1年で365個知るそんな風に日々成長していきたいですね(無理だけど(笑))。あまり時間を毎日かけられないと思いますので、さくっと毎日皆さんと成長していけたらと思っています。
筋肉について書くのは好きですね。今日は、リハビリを行う中で皆さん大好き腹横筋についてです。
1、解剖
まずは、起始と停止を確認しましょう。起始と停止が大事になるのは、そこでどの筋とかかわりがあり、どこを走行しているのかを知るためには必要になりますで・・・。
文字で覚えるのは眠くなっちゃいますよね。ですので一応文字で載せておきますけど・・・。
起始:下位肋骨、鼠径靱帯、腸骨稜、胸腰筋膜
停止:腹直筋鞘
・・・。サクッと流しましょう。
2、作用
4層抗構造の中の腹横筋は最内側部の腹筋群です。1つ外層の内腹斜筋とつながりがあり、胸腰筋膜に連結後横突起に付着します。左右から横突起を同じ力で引っ張ることで脊柱が安定します。これについては抗重力伸展活動のところで説明しましたね。
ヴァルサルバ法は、正門を閉じて腹圧を意識的に増加させて腹部の固定性を高める。腹部の筋収縮が腰椎部の垂直方向の圧力を高めて、安定性を向上させます。
ヴァルサルバ法により、上部で横隔膜、下部で骨盤底筋、側面を内腹斜筋と横隔膜で作る円柱により安定が向上します(これを腹部キャニスターと呼ぶ)。
良く間違うのが腹圧が高まるので風船が膨らんで前方の支えになっているとイメージする人もいるのですが、そうではないということに注意が必要ですね。
あとヴァルサルバ法は、血圧が上がりやすいので注意しましょう(笑)
腹筋が収縮すると体幹の屈曲になるのでは?と疑問に思う方もいるかもしれません。
しかし大丈夫です。腹筋群は後方で胸腰筋膜に付着します。胸腰筋膜は伸展させる作用がありますので、屈筋と伸筋が同時に働いているようなものなので体幹の屈曲は起きません。
3、臨床的応用
腹横筋を働かせるうえで一番大事になることは、骨盤が前傾位になっていることです。これ以上に大事なことはありません。
触診の方法ですが、この状態でASISから2横指横を触り、お腹を引っ込めてもらいます。軽く行うと少し引っ込んだ感覚と中の方でシート状のものを確認できます(慣れるまで難しいです)。
それ以上に引っ込めてくと筋肉が盛り上がってくるのでそれは内腹斜筋です。
ASISレベルで触れる理由としては、最初にお伝えしたとおり腹筋群は4層構造です。
その中で腹横筋は最深部に位置するため普通に触ろうとしても4層のどれが収縮しているのか分かりませんよね。
ですのでまず腹直筋と外腹斜筋がない場所を触ります。
さらに腸腰筋がASISの内側を走行しているので2横指よこを触るわけですね。この段階で内腹斜筋か腹横筋のどちらかになります。
もう一つの腹横筋の収縮の確認としては、筋が盛り上がってこないように軽くお腹を引っ込めてもらったときにASISが近づくように動いた感じがしたら腹横筋が働いています(これもビミョーな感覚で非常に難しい)。
下肢自動伸展挙上(ASLR)テスト
検査方法としては臥位で膝関節伸展位で下肢を挙上してもらいます。
その時に徒手的に圧迫を加えて下肢の挙上時の努力性や安定性を確認します。
①ASISレベルで骨盤前方を圧迫 → 腹横筋と内腹斜筋
②PSISレベルで骨盤後方を圧迫 → 多裂筋と胸腰筋膜
④恥骨結合レベルで骨盤前方を圧迫 → 腹横筋と内腹斜筋、骨盤底前方筋膜
⑤坐骨結節レベルで骨盤後方を圧迫 → 後方骨盤底
⑥斜めに先ほどのレベルの組み合わせで圧迫 → それぞれの左右の筋・筋膜
⑦腹直筋の外側縁を圧迫 → 腹部深層筋に対するアンカー作用
次に腹横筋に着目したリハビリの方法3ステップです。
流れとしては、背臥位などで収縮の再教育、持続練習、そしてADL動作の中で練習です。
腹横筋の筋トレを行うときに大事なポイントは、骨盤のポジショニングと持続力です。
腹横筋の筋トレも軽い負荷で行うことになります。そして筋トレを行う上で大事な点は、先ほど書いた通り、骨盤前傾させることで収縮させること。その上で収縮させた状態を持続することです。
そしてADL動作の中で収縮をしたまま行う練習を行うだけです。
4、あとがき
分かればそんなに難しくないと思います。しかし分かるまでが大変です(なんでもそうですが・・・)。
皆さんも是非腹横筋の収縮の感覚をつかんで頂き、より多くの患者様によいリハビリを提供できるよう一緒に頑張っていきましょう。
ただどのような手技を行うにも評価をしっかりと行い実施していくことが何より大事になると思っていますので、そちらの方も忘れずにやっていきましょう。
また、役立つ情報を紹介していきますので、興味ある方や、リハビリの中で悩んでいる方は参考にして頂けると幸いです。