brainjack’s diary

解剖学やリハビリなど身体について深く考える。

今更聞けない基礎解剖学「抗重力筋活動」(リハビリ)

 こんにちは、脳筋王です。

 

  新生活の始まりに何かひとつ役立つ知識をと言うことで、今日も情報をお伝えしていきたいと思います

 

1、抗重力筋活動とは

 

  重力に抗して起きる筋活動の決まったパターンを言います。

 

 この筋活動は、ベルンシュタインが、提唱したシステム理論の考え方に基づきます。

 

 システム理論とは、目の前にある物体に手を伸ばそうとした際に、いくつものいくつものとり方がある中で、最短距離を無意識下で選択して手を出すことから提唱された理論になります。

 

 つまり抗重力筋活動は、自由度を減らして特定の筋活動によって無駄のない動きで動作を行うために必要なひとつのパターンと言うことになります。

 

 これを協応反応やシナジーといいます。

 

 詳しく知りたい方はこのワードで検索してみてください。 

 

 この筋活動パターンは、寝返りから働いて立位を伴う動作と同様の筋電図波形が得られるそうです。

 

 では次に、実際に活動する筋についてです。

 

 活動する筋としては、頚長筋、斜角筋、多裂筋、腸腰筋、大殿筋、ハムストリングス、大腿広筋群、下腿三頭筋、前脛骨筋がです。

 

 これらの筋が同時に協調して活動いていることを確認してください。

 

2、抗重力筋の誘導方法

 

  筋活動のパターンを誘導する方法は、リーチ動作です。

 

 リーチ動作にも外せないポイントがあります。試しに斜め前方にあるものに手を伸ばしてみてください。 

 

 肩関節の位置を変えずに体幹の回旋を修正してみてください。肩関節内外転0°の位置になっていると思います。

 

 理由は単純です。リーチ動作は、胸骨柄から物体に向かっていく動作を言います。そのため体幹の回旋を修正すると肩関節内外転の角度は常に一定になるということです。

 

 リーチ動作中の筋活動は、歩行や立ち上がりから寝返りまで同様の筋活動パターンになります。

 

 ほかにアライメントの注意点として、骨盤が前傾位になっていること。足底が接地し、下肢の筋活動が高まっていることです。

 

3、リハビリ方法

  

 よく臨床中に行うこととしては、輪投げを前方の突起に差し入れるなどがあります。

 

 まあ、上記でお話した通りポイントに注意してリーチ動作を促せば後は、患者様の分かりやすいやり方で大丈夫です。 

 

 せっかくなんでもう一つリーチ動作の手技について誘導の仕方を紹介します。

 

 上腕三頭筋上腕二頭筋の収縮を上肢誘導で行います。

 

 セラピストは、患者様の手首を把持し、肘関節を屈曲させます。その後肘関節を伸展しながら肩関節屈曲90°屈曲位にします。その後リーチ動作を誘導するだけです。肘関節の伸展の際に肘を押し込みながら伸展することでリーチがより行いやすくなります。

 

4、あとがき

 

  筋力低下や運動麻等で局所的に機能低下しているところをリハビリし、その後抗重力伸展活動誘導を行うことが大事です。

 

 局所を鍛えて動作の中で協調して働かせることが丁寧なリハビリかなと思いますので、ぜひ問題点を評価したらポイントに気を付けて是非やってみてください。

 

今回の参考文献は、毎度おなじみのこの一冊!この本があれば4年くらいはリハビリできます。お持ちでない方はこちらのリンクからもしくは実際に書店で確認してみてください。

 

僕の他の記事にも書かれていますが、この本をとても参考にさせていただいております。

 

きっと無駄にはならないこと間違いなしです。

 

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