brainjack’s diary

解剖学やリハビリなど身体について深く考える。

リハビリ視点で見た運動連鎖から見た筋トレ(スクワット動作)

 こんいちは、脳筋王です。

 

 筋トレをしていく中で姿勢についてユーチューブやジムトレーナーから聞くことがあると思います。

 

 正直いろいろなやり方がありどれが正しいのか混乱する人もいると思います。

 

 今日は専門的な視点でスクワット動作について考えていきたいと思います。

 

今日のテーマは、5つあります。

1、運動連鎖について

2、スクワット動作について

3、運動連鎖を意識したスクワット動作のポイント

4、スクワット動作の注意点

5、あとがき

 

1、運動連鎖について   

 まず運動連鎖について書いておきます。知っている方は飛ばしてください。

 運動連鎖とは、ある関節の動きに伴って他の関節が動き、それが全身の姿勢に影響する動きの流れのことです。

 

 運動連鎖には、上行性の運動連鎖と下行性の運動連鎖の2つがあります。

 上行性の運動連鎖とは、足部の動きから骨盤や体幹に影響する姿勢変化の流れのことを言います。下行性の運動連鎖は体幹や骨盤から下肢へ流れていきます。

 

さて、では上行性の運動連鎖で具体的な流れを細かく見ていきます。

 ①足指が伸展し広がる

 ②内側縦アーチが下降

 ③足部が回内(内側に転がる)

 ④下腿骨が内旋(内側に回る)

 ⑤大腿骨が内旋(内側に回る)

 ⑥股関節は前方回旋(前方へ位置が移動)と前傾(前に倒れる)

 ⑦腰椎は前弯(後ろに反り返る)と同側へ側屈

 ⑧胸椎の後弯は減少(小さくなり)

 ⑨頸椎は伸展(首が天井に向かって伸びる)

 

 両方の下肢で行われると、いわゆる姿勢を正した姿勢になります。

 

2、スクワット動作について   

 

 骨盤前傾位にて下肢の屈曲を行う動作。下肢は前から見てまっすぐになった状態で行います。

 

 よく聞く指導としては、「お尻を後ろに沈みこませるように」や「膝を前に出すようにや逆に膝を前に出さないように」という言葉を耳にします。

 

 一つ言えることは、どれが正解でどれが不正解かではなく、指導の方法で筋トレ部位が異なってくるということが重要になります

 

 一般的な姿勢としては先ほど説明した通り、骨盤の前後の傾きが大事になってきます。今回はこの骨盤と運動連鎖について考えていきます。

 

 そもそも骨盤を前傾位にする理由としては、骨盤を前傾にすることで骨盤や体幹の固定性が増加します。その結果、下肢の出力が増加し高重量を扱うことができるようになります。

 

 骨盤が前傾し固定性が高まった肢位になることで脊柱起立筋の過剰な筋活動で固定する必要がなくなり、結果腰痛を予防できます。

 

 固定性のイメージとしては、野球の投球をイメージするとわかりやすいと思います。例えば、ツルツル滑る氷の上で投球を行った場合、まずグラウンドで行ったときと同等のスピードでは投げることができないことは想像できると思います。

 

 これが固定した状態とそうでない場合の違いになります。腕からボールを投げるには、下肢で地面を踏みしめて、体幹を弓のようにしならせて最後に上肢を振りぬき身体で蓄えた運動エネルギーを開放します。

 

 イメージできなかった方は、調べてみてください・・・。

 

3、運動連鎖を意識したスクワット動作のポイント 

 

 動作の中で「足部を回内して、下腿骨は内旋して、大腿骨も・・・」なんて考えながら筋トレ出来ないですよね。

 

 運動連鎖は意識するポイントである程度誘導することができます。いくつか紹介していきます。

 

ポイント1 母指で荷重を行う。

 

 母指の荷重を意識することで足部の回内が誘導され骨盤前傾の運動連鎖を誘導することができます。また下腿が床面に対して垂直位になるため荷重できるようになります。

 

ポイント 2 バーベルを垂直に下げるイメージで下肢を屈曲する。

 

 まっすぐに下げることで膝が重心位置から最も遠くを通るようになるため膝伸展筋力を必要とします。このとき骨盤が前傾位で固定できていれば膝関節伸展モーメントはハムストリングスと大腿高筋群によって伸展を行うため、抗重力筋の筋収縮を誘導できます。

 

ポイント3 膝を少し前に出していきながら屈曲していく。

 

 体幹の前傾が増加するため脊柱起立筋の筋活動が必要になりますが、臀部が重心位置から遠くなるため殿筋群の筋収縮を誘導できます。

 

4、スクワット動作の注意点  

 

 注意点1:膝関節を深く曲げるスクワットは、腰部や骨盤の固定性を失いやすく腰痛

      や下肢筋収縮力の低下につながるので避けましょう。

 

 股関節屈曲可動域の確認は必須です。確認方法として、背臥位の状態で片方の股関節を屈曲していきましょう。ある地点から骨盤の後傾と腰痛の屈曲を伴った動作になると思います(お尻や反対の下肢の浮き上がり)。

 

 例えば90°であった場合、スクワット動作では股関節の屈曲は90°あたりまでということになります。

 

 股関節90°以上の屈曲を行うと骨盤が固定性を失うことを示しているからです。

 

 注意点2:高重量を扱った際に、内股になってしまう場合も重量を下げましょう。

 

 高重量を上げる場合の代償動作になります。この場合は内転筋の代償や骨盤の過剰な固定による腰痛発症につながります。

 

5、あとがき    

 

 最後になりましたが、自分も3年間筋トレを実施してきて試行錯誤を行いながらきました。  

 

 正直答えになってないかもしれませんが正しいとか間違っているとないと思います。いろいろ姿勢の中で一番自分にしっくりくるものがその人にとって正解なんだと思います

 

 自分に合った姿勢・動作で筋収縮を感じ取りながら行っていくことが、最も大事だと思っています。ユーチューブやブログ等の中で紹介されているものをいろいろ実践して自分に合ったものを見つける参考にして頂ければ幸いです。

 

 僕のブログでも筋トレなど行っていく中で気づいたことがあれば紹介していきたいと思います。

 

 運動連鎖について興味のある方はこちらをどうぞ。内容も難しくなく、運動連鎖について初めて知る方でもわかる内容となっています。

 

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