brainjack’s diary

解剖学やリハビリなど身体について深く考える。

股関節ROMエクササイズ~軸内回旋を意識した手技~(リハビリ)

 こんにちは、脳筋王です。

 

 今回は、リハビリを行う療法士の皆さんが、一日一回は実施するであろう股関節の屈曲のROMエクササイズについて注意点を一つに絞って5分程度で読み終えられるようにお伝えしていこうと思います。

 

 股関節の屈曲は、座位をとるためには重要で、股関節90°屈曲が困難な場合座ることが難しくなり、環境調整が必要になります。

 

 またどこかに腰掛けるには一回立ち上がりを行うため、体幹前傾させる際は100°近くまで股関節を屈曲させる必要もあります。

 

 ですので、股関節の屈曲可動域を注意深く確認していくことは、ADL動作の評価を行う上で、第1歩目と言えるのではないでしょうか。

 

 前置きがが長くなりました。本題に入っていきましょう。

 

1、股関節の解剖学

  骨盤を触診しながら股関節屈曲を行うと分かりますが、純粋な股関節屈曲可動域は90°程度ぐらいです。

 

 人によって個人差があります。80°から骨盤や腰椎の動きを伴う人もいれば、100°まで骨盤と腰椎が動かない人もいます。左右差があれば早期から動いた場合は先に動いた方は反対側と比べて制限があることになります。

 

 しかし骨盤後傾と腰椎屈曲を伴うことは正常な動作です。これをHip-lumbaer (ヒップ・ランバー)リズムといいます。

 

 股関節屈曲で一番重要なポイントは、大腿骨頭を臼蓋内で求心位に保持して動作することです。

 

 骨盤と腰椎の動きが早期から入ってしまう理由として、大腿骨頭を求心位に保ち軸回旋運動を行うことが困難になったときが多いです。

 

 その大きな原因になるのが腸腰筋と梨状筋です。腸腰筋が過緊張を生じている場合、大腿骨頭は前上方に偏位していきます。梨状筋が過緊張した場合、大腿骨頭を後ろから押し上げて前方へ偏位します。

 

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2、股関節のROMエクササイズの手技

  やることは簡単です。

 

 股関節屈曲時に前方へ浮き上がってくることで股関節の動きを阻害。その結果骨盤と腰椎が代償的に早期から動き始めてしまいます。

 

 ですので、股関節の屈曲時に膝関節から大腿骨頭を臼蓋に押し付けながらROMエクササイズを行うだけです。

 

 その時のポイントは、大腿骨の長軸方向に合わせてまっすぐ押すことです。

 

 また手の感覚が鋭い方は大腿骨頭が浮き上がってくる角度で押すとか、最終可動域で押すとか工夫するといいと思います。

 

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 この少しの工夫で可動域は変わります。

3、あとがき

 

 単純な動作でも少し専門的な話を混ぜるとプロフェッショナルな感じになりますね。

 

 毎回言っている気がしてますが、細かいところまで気にしていくことで治療効果に大きな影響があると僕は思っていますので、ぜひ皆さんもいろいろな視点に目を向けて行ってみてください。

 

 そして気づいたことがありましたら、コメント等で教えていただけると僕も勉強になりますので、よろしくお願いします。