放散痛や運動時痛と筋緊張亢進のつながり
今日はこのテーマについて解説していきたいと思います。
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目次です。
- 放散痛と筋緊張亢進について
- 慢性疼痛
- 運動時痛と放散痛、圧痛のつながり
- まとめ
- リハビリを行う上で応用するには
こんにちは、脳筋王です。最近は筋膜のことを中心に勉強していますが、なかなか細かく分かりにくい言い回しが多くて勉強が進むスピードが遅くて骨が折れますね。
しかし疼痛改善には必要なことと思い頑張っていきたいと思います。
それではさっそく解説していきます。
放散痛と筋緊張亢進について
まず筋肉を押して痛みが出ること(圧痛)があります。肩こりの人はよくわかるのではないでしょうか。圧痛がある部位は筋肉が硬くなっていることが多い(筋緊張亢進)と思います。
これは筋膜内で協調中心が偏った結果、高密度化が生じて感受性が高まります(痛覚閾値の低下)。イメージとして、テーブルクロスを摘まみ引っ張った際にできるシワが寄りすぎている状態です。そして協調中心の高密度化した部位は筋の弾性が低下して圧迫した際に圧を逃がすことができなません。そのため逃がしきれなかった圧刺激は自由神経終末に刺激入力として入ります。痛覚閾値の低下と筋の弾性低下から圧痛が生じるということです。
閾値の低下は反射的な筋収縮を生じます。
因みに自由神経終末は、深部感覚と空間での身体位置覚と運動の認知に関係します。
協調中心と認知中心の話についてはこちらの記事をみてください。
慢性疼痛について
筋膜レベルでの慢性疼痛を考えると慢性的な協調中心の偏りが変性という形で慢性化し、閾値の低下もあり慢性的に疼痛を引き起こします。慢性化した場合ちょっとした刺激が引き金となり疼痛が出現します。
また疼痛は圧痛だけでなく、運動時痛も協調中心の偏りが原因で痛みを生じます。では、次に筋紡錘が運動にどのように影響しているか流れを解説していきます。
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運動時痛と放散痛・圧痛のつながり
まず筋紡錘の関与について考えるために運動が出現するまで神経伝達の流れを説明していきます。
①脳から指令発信
②γ繊維遠心性神経を通じて筋紡錘に伝達
③一部の協調中心の収縮と伸張
④協調中心へ収束
⑤環螺旋求心性神経から脊髄に伝達
⑥α運動神経を通じて錘外筋線維に伝達
⑦認知中心に伸張刺激が伝達
⑧ルフィニ求心性神経を通じて脳へ伝達
この流れは網様体脊髄路系で体幹と四肢近位筋で優位に働きます。この時のα運動神経を通じて錘外筋線維を収縮させ、深筋膜が関節構造体へ伸張刺激が伝導されます。そして関節構造体の閾値を超えたときに関節に痛みを感じます。
脳から入力は筋紡錘の協調中心を伸張させます。閾値が低下した協調中心部は刺激入力に対して疼痛として知覚します。これが放散痛となり、協調中心(筋)から認知中心(関節)に痛みが走るというわけですね。
まとめ
- 協調中心の偏りは、放散痛と筋緊張亢進に繋がります。
- 協調中心の偏りは、慢性的な筋膜の変性を引き起こし疼痛が慢性化する。
- 体幹・四肢近位筋を中心に筋紡錘を介して協調中心への刺激入力が運動時に放散痛が起こりうる。
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リハビリを行う上で応用するには
具体的に手技とはいきませんが、知識としては生かせることが多いと思います。例えば圧痛は安静時の時に痛みを発生しています。そして運動時痛はその名の通り運動時の痛みです。僕は学生時代に安静時痛と夜間痛は炎症反応で、運動時痛は筋の損傷によるものと習いました。しかし今回の内容では安静時の圧痛と運動時痛につながりができました。評価を行っていく上では重要な所見になるのではないでしょうか。
そして慢性時痛については脳が痛くないのに痛いと思って発痛性のあるサイトカインの分泌を促してしまうことが原因と習いました。よって治療には精神的な介入が有効と習ったことがありました。しかし痛みの原因の一部は筋の変性の慢性化だとするのであれば筋に対するアプローチが有効であることになりますね。今後実際の治療アプローチ方法については勉強を進めていき解説していきたいと思います。
今回はこの辺にしましょう。今回の話で分からないことがありましたらお気軽にコメントください。分かる範囲でお答えしていきたいと思います。