brainjack’s diary

解剖学やリハビリなど身体について深く考える。

筋膜の種類と役割。筋膜マニピュレーション入門(リハビリ)

こんにちは、脳筋王です。

 

筋膜にもいろいろ種類がありますが、今日はその一つ一つについて解説していきます(誰が興味あるのかな(笑))。

 

リハビリを行う中で重要になりますが、即効性のあるものではないので、少しずつ学んで基礎を組み上げていきましょう。小手先の技術ばかり身に着けていっても表面上の薄っぺらいものです。そんなものは簡単にはがれてしまいます。時間の無駄とは言いませんが、賛同して頂ける方は、最終的に自力を付けるために基礎を一緒に学びましょう。

 

・筋膜の構成

まず身体の膜構造の位置関係をざっくり書いておきます。

皮膚→浅筋膜→深筋膜→筋外膜→筋となっています。

 

もう一つ筋外膜はさらに筋外膜、筋周膜、筋内膜に分けることができます。この順番で構成されています。リハビリの中でストレッチを指や手のひらで押圧刺激して伸ばすことがあると思いますが、主に深筋膜と浅筋膜の間の滑走性向上に対してアプローチしています。そこを踏まえてこの先の話を進めていきます。

 

ではそれぞれの役割について説明していきます。

 

 

・筋膜の種類と役割

・浅筋膜

 

役割としてそれぞれの膜構造の中で一番組織の滑走性や熱からの緩衝作用、適度な固定性をもっています。滑走性があるために深筋膜の滑走が皮膚表面から見えないようになっています。

 

足底や手掌、顔面には存在しないものです。理由としてはそれぞれ腱膜と混ざり合っているためです。

 

そもそも筋膜と腱膜の違いから説明していきます。筋膜は伸張性があります。しかし腱膜は伸張性が乏しく、力の伝達作用をもっています。ですので似ているようで違うものですね。

 

浅筋膜は脂肪を含み、さらに血管や神経もあります。この脂肪組織の間を網目状に線維が走行するため伸張性が確保されています。

 

手の甲の皮膚を引っ張ると分かりますが、 皮膚はものすごく伸張性がありますよね。そしてこの後説明しますが下にある深筋膜は固定性が必要になるためそんなに伸びません。つまりその間にある浅筋膜は柔軟性がないと皮膚の下で筋肉が動くことができません。

 

 

・深筋膜

 

全ての筋を覆っています。脂肪はありませんが神経と血管を含みます。

役割としては組織の位置をあるべき場所に固定しつつも滑走性をもっていて動きを邪魔しないものといったところでしょうか。

 

特に関節周囲で特殊化し(関節包)など組織や器官、腺を包み保護します。組織構造はとてもきめ細かくなっています。主に例外(頚部や体幹)以外は2重構造になっており滑走性をもちます。横。縦・斜めに線維が走行しているためあらゆる方向への伸張でも固定性をもちます。靭帯や関節包をイメージしてもらえると分かりやすいかと思います。

 

 

少し重要性について解説しますね。 

 

深筋膜は硬いだけではいけません。イメージしてみましょう。体幹の屈曲を行ったときに腹部の臓器は圧迫されます。深筋膜が硬く臓器の位置が動かないと臓器が圧から逃げられないために潰れちゃいます。そうなったら死にいます。

 

つまりある程度深筋膜は、運動に際して潰れにように臓器が移動しないといけないのである程度の伸張性を有しています。 

 

そして三層構造がそれを可能にしています。臓器の動く方向は一方向ではなく縦横無尽に(多方向性にってことです。)移動しないといけないので、三層(縦・横・斜め)がそれぞれ違った方向に走行していることで様々な方向へ対応できるわけですね。

 

・筋外膜(筋外膜-筋周膜-筋内膜)

 

さらにきめ細かくなっており、役割は力の伝達とそれぞれの筋を隔てることです。上層の深筋膜とは滑走性を維持し、下層では異なるタイミングで収縮する筋の間は固定性をもっています。

 

それぞれの筋は筋周膜とその内側の筋内膜によって包まれています。そして名称として一つの筋でもそれぞれは異なる運動単位の支配を受けており、運動単位の閾値の違いで収縮する筋としない筋が生まれます。しかし見かけ上は一つの筋外膜で包まれた一つの筋が収縮します。この力の伝達を行うために筋周膜と筋内膜の間も結合性が高くなっております。

 

さらに筋外膜(ここでの筋外膜は3層の最外層のこと)は、筋紡錘やゴルジ腱器官と連結し、張力を筋線維力の伝達をする膜としても機能します。つまり伸張性がありすぎると力が伝わらないのでそこまで伸張性は比較的低めです。

 

 

分かりにくいので最後に簡単にまとめると、

浅筋膜は熱に強く、滑走性高い。

深筋膜は、組織の固定と保護

筋外膜は、筋を隔てて、深筋膜との滑走性の確保と筋紡錘と筋の間と筋線維間の力の伝達作用をもっています。

 

それぞれに役割がよく筋膜リリースという言葉を最近耳にすることがありますが、実際にリハビリの中で行うストレッチでの筋膜をリリース(剥がす)ことはできません。その意味は深筋膜と筋外膜の癒着の乖離による滑走性の改善のことであると思います。

 

そして今後説明していきますが、深筋膜は関節包にも付着するということです。つまりどこかの関節包に付着する深筋膜と筋外膜の滑走性低下は関節可動域制限につながることを意味しているということです。

 

治療部位が他の関節や遠位の筋になるということの説明になりますね。

 

ではこれから少しずつ記事にしていこうと思いますので興味のある方やリハビリの中で治療効果を上げていきたい方は一緒に勉強していけたらと思います。

 

因みに今回の内容から筋膜マニピュレーションという本を参考に開設していきますので興味ある方は是非読んでみてください。オススメはしません(笑)

 

 

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