brainjack’s diary

解剖学やリハビリなど身体について深く考える。

足部の運動と痛みについて考える。

 こんにちは。今日は足関節前面、具体的には距骨部に痛みがあった患者様に対して評価と治療を行ったときに感じたことをお伝えしようかなと思います。

 

 そもそもなんですが、今まで臨床を行っていく中で足部の硬さに着目することはありましたが、足部周囲の筋緊張の低下に着目してリハビリを行うことってなかなかないですよね(僕だけでしょうか・・・)。

 

 今回は足部周囲筋の低緊張に着目してリハビリを行った結果足部の痛みが軽減することができたので皆様に共有しようと思います。

 

今日のテーマ:足部の運動と疼痛

評価

自分の評価の流れを書いていきます。

 

 まず痛みの原因を知るために行った検査についてです。

疼痛が出ていた動作は、立位保持と歩行でした。

 

 しかし姿勢を観察してみると痛みのある側の腰は引けて反対下肢で優位に荷重しています。移乗や歩行を行うと支持性は低下しており膝関節の動揺を呈しています。荷重時に痛みがあるようです。

 

 次に臥位になり他動運動を実施。背屈運動時は過可動性と最終域までの抵抗感の低下、最終域に痛みの訴えがありました。前足部の広がりは少なく、足指の若干の変形も見られます。距骨の背屈運動時の滑りは良好です。

 

 そのまま自動運動時の評価をしてみました。背屈運動は可能でしたが最終域まで運動を行うことはできず、運動方向も一定していません。

 

 ここまでで何となく足部の低緊張と足部のひろがりの制限から距骨下関節に負荷が収束した結果痛みにつながっているのではと考えていました。

 

 しかしここで気になったのは、運動時は脊柱後弯の影響もあり後方重心下での動作となっているのに痛みがあるということです。具体的に申しますと最終域までレンジを使っていないのに痛みが出てしまっているということです。

 

 そうなるとさらに詳細な検査が必要になりますね。

 

 しかし、ご高齢ということもあり簡単な運動指示はできるものの複雑な指示入力は困難であったためさらに問題を限定していく方法として、介助方法の工夫をしてみることにしました。

 

 僕が毎回意識していることは最小限の介助と限定的な介助です。

 実際には運動連鎖を意識して行っていきます。この方の場合は座位姿勢から崩れていましたので、まずは胸郭部から運動を促してみましょう。

 

 上位胸郭の運動(特に右側の後方回旋誘導)を意識して腋窩に手を当てて頚部からの力の伝達を足部まで届けるように前方への重心移動を促します。最初は体幹がふらついて運動方向が定まりませんが徐々に前方へ追従する動きが出てきました。そのまま続けていると下腿が外側や内側へ倒れていましたが徐々に膝が前方を向きますのでそこまでいたっれたら立ち上がってみます。若干骨盤は引けてしまいますが先ほどよりも介助量は少なく、また疼痛側へ荷重を行いながら立つことができました。

 

 余談になってしまいますが、この介助はほぼ治療のような介助ですが体幹の問題点と動作の問題点と解決方法、痛みの原因の確認などいろいろなことがわかりますのでお勧めです。

 

 さて実際に立ち上がることができましたのでその場で疼痛について聞いてみました。そしたら痛くなかったとのことです。ここでは疼痛のみについて話しますが、分かったことして単純に過背屈が強要されるようなメカニカルストレスが距骨部にかかっているのではなく運動方向が定まらずにあることで一番可動性のある距骨部にストレスが集約してっしまったことが原因であることが分かりました。

 

問題点抽出

ですのでここで検査結果から問題点を抽出してみました。

 1つ目の問題点は動作時の運動連鎖不全です。さらに細かく言うと下行性運動連鎖不全であり、胸郭部のアライメント修正と力の伝達を整えることで改善が可能です。

 

 2つ目に距骨下関節にメカニカルストレスが集約してしまうことです。原因としては、足部周囲筋の筋緊張低下と筋力低下、前足部の硬さがあります。前足部の関節可動域を改善しつつ、足関節周囲筋の筋活動促通を行うことにしました。

 

治療プログラム立案

以上の問題点解決のため治療プログラムを立案していきます。

1、前足部のストレッチと関節可動域練習

2、足部周囲筋の筋活動促通

3、座位での体幹前傾練習

4、立位練習

 

治療結果

 結果としてご高齢ということもあり動作レベルや覚醒状態にムラもありますが、以前よりも痛みの訴えは少なくなりました。さらに足部の安定性が向上したために動作能力も改善してきています。

 

感想

 まあ今回はうまくいきましたがまだまだ先輩方から言わせると粗の目立つものなのではと思います。アドバイスや質問、意見などあればして頂けると僕も日々の臨床のモチベーションを高めて取り組むことができますのでよろしくお願いします。

 あまり辛辣な内容が並ぶとショックを受けますのでお手柔らかにお願いします・・・

こんな感じでこれからも投稿をしていきたいと思っています。理学療法を通して皆様とつながり合い理学療法を盛り上げていき活気ある社会を間接的に後押し出来たらと思っています。